2016/11/29
スクストのストーリーのネタバレ解説(エピソードⅠ)
スクストのエピソードⅠ《アルタイル・トルテ編》のストーリーを5分くらいで理解できるように簡潔にまとめます。解説や考察の中には独自解釈やネタバレも含みますのでご注意ください。
エピソードⅠのあらすじ
エピソードⅠの主人公は美山椿芽(みやまつばめ)。題名にもあるように、彼女がリーダーを務めるチーム「アルタイル・トルテ」を中心に進んでいく物語です。
アルタイル・トルテが所属している部隊「フィフス・フォース」の使命は敵の妖魔(オブリ)と戦うこと。スクストで最初に流れるプロローグでは、黒幕「モルガナ」のアジトへと潜入し決着をつけるクライマックスの場面から始まります。
スクストの世界観・舞台設定
まず、本編の内容に入る前にスクストの世界観や舞台設定を整理しておきましょう。
既にプレイしている人はご存知かと思いますが、スクストは並行世界(パラレルワールド)を扱った作品です。ひとつひとつの世界は「チャンネル」と呼ばれています。
ここで、エピソードⅠに登場するチャンネル3つをご紹介したいと思います。
1つは「エテルノ」。フィフス・フォースの拠点「五稜館学園」があり、他のチャンネルとは時間の流れが違う(止まっている)領域。
2つ目は「元の世界」。アルタイル・トルテの澄原サトカ(すみはらさとか)、夜木沼伊緒(やぎぬまいお)、沙島悠水(さじまゆうみ)、菜森まな(なもりまな)が元々居たチャンネルです。
3つ目は「アルタイル・トルテの世界」。椿芽だけは元の世界ではなく、この「アルタイル・トルテの世界」で妖魔と戦っていました。このチャンネルから話すのが1番分かりやすいと思いますのでここから本編のストーリーを辿ってみましょう。
アルタイル・トルテの世界のストーリー
主人公椿芽が暮らしていたアルタイル・トルテの世界では”今”から1年以上前に妖魔が出没するようになりました。
はじめは、妖魔は心霊現象や都市伝説だと思われていましたが、その一方で謎の通り魔事件や犯人不明の発砲事件などは着々と増えていきます。
その影響は椿芽の身近にも及び、父親である「美山副長官」の事故死につながりました。父が残した遺言で妖魔の本当の脅威を知った椿芽は、父親の遺志を継いで妖魔と戦っていくことを決意するのです。
アルタイル・トルテ結成(15話)
椿芽は妖魔の研究をしている人がいるという私立女子校の五稜館学園に転入。そこで「ペンタヴァーン」のアルバイト「李野田真乃」(りのだまの)と出会い、研究に協力していきます。
ペンタヴァーンとはカードゲーム会社なのですが、妖魔に対抗できる「バトルスーツ」の開発などもしている会社。協力の主な内容は試作スーツの装着や実戦テストなど。
そして、妖魔研究が進むにつれて椿芽には特別な適性があることが分かり、他にも素質のある人たちを集めて特殊部隊アルタイル・トルテを結成することになりました。
実戦テスト中の探索に偶然みかけた「ネコ」も行動を共にすることになります。
妖魔一斉襲撃の日(7話・15話)
チーム結成後、敵対する妖魔の数や強さは日に日に増していき、妖魔が一斉に襲撃をしかけてくる日(妖魔一斉襲撃の日)を迎えます。
バトルスーツをさらに強化した究極(アルティメット)スーツの研究も進められていましたが完成が間に合いませんでした。
妖魔一斉襲撃の日、一斉襲撃が来た合図として鐘が鳴らされたとき、その音を聴いた平行世界元の世界のサトカ、伊緒、悠水、まなの4人が偶然にも紛れ込んでしまいます。
普通の学園生である彼女らは妖魔に襲われそうになりますが、「もうひとりの自分」に助けられ事なきを得ます。その後、4人は「ティエラ時空管」によってエテルノへと移動。
アルタイル・トルテのメンバーは目の前で4人がいきなり消えたこと、自分にそっくりだったことが気になったものの、妖魔の殲滅とその発生源の探知に専念することにしました。
妖魔との戦いは三日三晩続き、倒した数は12万4385体。結果、妖魔の出どころを突き止めることに成功したのです。ですが、何重もの機密保持対策が施されており、それ以上の情報は掴めませんでした。
エテルノからサトカ、伊緒、まなが紛れ込む(16話)
元の世界、アルタイルトルテの世界、エテルノの順でチャンネル移動したサトカ、伊緒、まなの3人が、再びこちらの世界へと紛れ込んでしまいます。
3人は前回のようにすぐには帰ることができなかったのですが、そのおかげで情報交換を行うことができ、平行世界の仕組み、妖魔の弱点や特性、妖魔が人を操る能力を持っていることを知ることができました。
提供してもらった情報で妖魔の出どころの調査が進み、最終的にはアルタイル・トルテの5人で潜入することになります。
モルガナ(沙島茜)の研究所(17話)
ついに妖魔の出どころである「モルガナ」の研究所へ潜入作戦を決行することになった5人。
モルガナとはあらゆる時空にあらゆる姿で現れる存在で、平行世界やこの世の条理を識りすぎるとモルガナ化してしまうと言われています。
実はこのとき戦ったモルガナは元の世界の悠水の叔母「沙島茜」(さじまあかね)、「クアルタ」という平行世界を移動できる「ステラプリズム」を研究している施設の研究員だった人物。
茜の場合は識りすぎたのではなく、18年前に実験のため無理やりモルガナにされ、元の世界からアルタイル・トルテの世界へと送り込まれました。
モルガナの戦いでは何度もピンチにおちいりましたが、持ち前のチームワークやあらゆる幸運で討ち倒すことに成功しました。
2人目のモルガナ(18話)
モルガナを討ち倒して以来、世界のどこにも妖魔は現れなくなりました。ですが、さらに強い真のモルガナが登場してしまいます。
紛れ込んだ3人が巻き添えにならないようにエテルノに帰すのですが、そのときに椿芽はひとつお願いをします。
この場ではモルガナを退けましたものの、そのあとの戦いでひとりひとり敗れていって、最終的に椿芽だけが取り残されました。
五次元空間(23話)
ひとりで妖魔と戦い続けていた椿芽はようやく完成した究極スーツでモルガナに挑みますが結果は敗北でした。
椿芽は「元の世界」にいるべき人で死ぬと意識は元の世界へと移るのですが、ネコの”影響”で行き場を失くした意識が集う「五次元空間」という世界へと転移。このときの椿芽の強い意思によって妖魔一斉襲撃の日(就任の日)のエテルノへ導かれます。(第23話)
ここまでがアルタイル・トルテの世界の椿芽です。結構省略したのですがボリューミーになってしまいました。ここからエテルノに続きます。
エテルノのストーリー
妖魔一斉襲撃の日に紛れ込んだサトカ・伊緒・悠水・まなの4人とここでようやく合流します。
椿芽だけはエテルノからサトカ、伊緒、まなが紛れ込む(16話)で既に3人と合っていますけれど、この時点ではお互いに面識がないのでサトカが「うちの学校では見たことないですがどちらさまです?」と質問して皆に「……え?」とリアクションされてしまいます。
就任の日(8話)
特殊部隊アルタイル・トルテではなく、フィフス・フォースの第05チームとしてのアルタイル・トルテが結成されます。
チームの隊長は隊長さんの意識が乗り移って操作される”前”のネコ。
モルガナの襲撃(14話)
就任から2ヶ月後、敵対勢力の1人「降神陽奈」(おりがみひな)がエテルノの場所を知らせたことでモルガナの襲撃を許してしまいます。
結果的に退けましたが、悠水はその場で気を失い、他の3人はアルタイル・トルテの世界へと転移。→エテルノからサトカ、伊緒、まなが紛れ込む(16話)
このとき、椿芽だけは20年前の元の世界へと飛ばされます。
元の世界のストーリー
20年前の元の世界(20話)
椿芽が目覚めたところはクアルタの研究施設でした。そこに居たのは、モルガナ(沙島茜)の研究所(17話)でモルガナになって転移する前の茜。
アルタイル・トルテ結成(15話)でも書いたように椿芽には適正があるので、研究の「実験体1号」として幽閉されることになったのです。
境界のストーリー
モルガナのいる境界(21話)
椿芽が行方不明になっている間に様々なことが判明し、黒幕のモルガナがいる五次元空間と世界の狭間「境界」がついに分かりました。
その境界には椿芽抜きで探索に向かったのですが、モルガナに遭遇しピンチに陥ってしまいます。そんなとき、モルガナが発する波動の効果で他の世界に干渉しやすい状態になっていたおかげで、椿芽が転移できるようになり間一髪戻ってこれました。
「まだ勝てない」と判断して椿芽たちはすぐに逃げますが、隊長さんがアルタイル・トルテの世界へと飛ばされてしまいます。
18年前の元の世界(21話・22話)
モルガナ(沙島茜)の研究所(17話)のモルガナになる前の茜と出会います。チャンネルはアルタイル・トルテの世界に移動済み。
この世界で隊長さんは転生能力を埋め込まれます。五次元空間(23話)で椿芽が転生できた能力です。使うと記憶喪失になってしまいます。
時系列を考えると、アルタイル・トルテ結成(15話)で偶然見かけたネコだと思われます。
プロローグより先のストーリー
モルガナのアジトのある境界(23話)
モルガナのいる境界(21話)の戦いから1ヶ月後、強くなったフィフス・フォースのメンバーはモルガナと決着をつけることに。あらすじでも書いたプロローグの部分につながります。
このときの隊長さんは目覚めたのではなく、正体は五次元空間(23話)から転生したネコ。アルタイル・トルテの世界から転生してきたばかりですが、モルガナを止めるために道連れにしてもう1度転生することになります。
そして君のもとへ(最終話)
表題の「そして君のもとへ」のとおり、モルガナと道連れになった隊長さんをアルタイル・トルテの5人が探しに行くことに。数ある境界を巡って探索していき、ついに今の隊長さん(私たちプレイヤー)を見つけることに成功します。
美山椿芽
主人公「美山椿芽」だけに注目するとこのようなストーリーになります。転移の流れをまとめると、アルタイル・トルテの世界→エテルノ→20年前の元の世界→エテルノ。
実験体1号としての美山椿芽が居なければ、フィフス粒子の研究は進んでいませんし、まなや悠水だっていないかもしれません。
ですので、椿芽は元々アルタイル・トルテの世界の人間だけれど、元の世界にいるべき人と語られているのだと思います。
だったら、椿芽の意識がエテルノを離れたら実験体1号へと戻ってしまうのか?という疑問への回答は「エピソードⅠ 余話 いつか叶えられたエピローグ」で話されています。
エピソードⅠ余話
エピソードⅠの余話は、アルタイル・トルテ5人に究極スーツを着せていると分岐するのですが、まずは着せていないほうの内容をまとめます。
究極スーツを着せていない内容
「サトカ」によって語られているのはこの3点。
- 美山椿芽のこの後の物語
- 菜森まなの母親
- 沙島悠水の転生
まずは美山椿芽の話ですが、意識の座標に元の世界が書き込まれている以上、エテルノから意識が離脱すると20年前の実験体1号の椿芽に戻ってしまうだろうということが話されています。
そして、実験体1号の期間でまなの母親になったことも”推測”として語られています。この手の話題ってオタクコンテンツと相性が悪いですよね。だからほぼ公式回答なのに推測と念を押されているのだと思いますけれど。
最後に悠水には茜が転生した意識が深く刻まれているという話です。モルガナ化した茜が残した「わたしは世界を救う者になりたかった……」という言葉と悠水の言動からもそれは理解できます。
究極スーツを着せている内容
究極変身コスに着替えることで見ることができる余話。ストライカーに編成する必要はありません。
椿芽は2人目のモルガナ(18話)でモルガナに負けた後の時間軸で目覚めます。実験体1号として元の世界に長い間居ましたが戻ってくることができました。
同じように敗れていった他のメンバーも五次元空間からこの世界に復活。椿芽は仲間と妖魔・モルガナの征伐を果たし、平和を取り戻したのでした。
まとめ
五次元感知能力やイリスなどについてはあまり触れないでストーリーネタバレを書いてみました。ストーリーの大枠は把握できたかと思います。
パラレルワールドモノ、特に主人公が様々な世界や時間軸を行き来する物語は、文字で説明するのがとても難しいかったです。
そんな文章でも最後まで読んでいただきありがとうございました。次回はエピソードⅡの考察を行います。アニメスクストの感想もまとめています。