2017/05/05
アニメ『スクスト』の感想&考察の総まとめ!1話から13話まで
2017年1月から3月末まで放映された『スクールガールストライカーズ Animation Channel』について、全話(1話から13話まで)を通した感想や考察を書き綴ります。少しだけ本編のネタバレを含みますので、まだ全部見ていない方は最終話まで視聴したあとにご覧ください。
アニメ『スクスト』のストーリー
前提として、アニメ『スクスト』は原作とは違うストーリー・世界観で描かれています。ゲームをプレイしている隊長さんならご存知かと思いますが、スクストは平行世界(チャンネル)を舞台にした物語。観測者(オブザーバー)が居る限り、世界は無数に存在します。
つまり、アニメ『スクスト』の舞台も、原作で登場している「神装世界」「”元の世界”」など様々なチャンネルのひとつに過ぎないのです。別の世界線のお話なワケですから、ストーリーや設定なども当然変わってきます。
とはいえ、登場人物の名前や性格、用語の意味などはチャンネル間同士でほぼ違いはありません(妖魔≒オブリなどのレベルの差)。今回の感想・考察記事では最初から詳しく書かないので、スクストのことを基礎知識レベルから知りたい方は以下の記事に目を通してください。
1話から13話までの構成・流れ
別の世界のお話と書きましたが、アニメ『スクスト』のストーリーの根本は原作エピソードⅠとほぼ同じです。椿芽が黒幕「モルガナ」に敗北したところから始まり、その手下の「降神三姉妹」との戦いを経て、再度リベンジするといった流れ。
起承転結で分けると、SRメモカ入手とアルタイル・トルテ結成の1話から3話が「起」。茶番やキャラ&設定紹介の4話から6話が「承」。田中幸子(オディール)と降神三姉妹が登場した7話から11話くらいが「転」。最終話までが「結」となります。
おそらく、1話春→6話夏→11話冬のように季節に合わせて(時系列に沿って)進んで行っているのですが、最初の導入部だけ3話→1話→2話となっているのでご注意ください。
アニメ『スクスト』と原作の大きな違い
既にゲームを楽しんでいた隊長さん又はアニメから原作に入ろうとしている方々は、どちらか一方の知識を持っていると「アニメと原作の違い」に少し混乱する(した)かと思います。まだごちゃ混ぜになっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな方のために大きな違いを分かりやすく整理してみます。
1.エテルノと現実世界
原作では元の世界との行き来がほぼなく、エテルノはまるで「シェルター」のような閉鎖的な空間として機能しています。なぜなら、元の世界では現在進行系でオブリの侵攻が進んでおり、出来る限り時間の経過を食い止めて対抗したい意図があるからです。
一方で、アニメ『スクスト』では「学園の秘密の出入り口」(アニメ3話参照)を使って、エテルノと現実世界をかなりの頻度で行き来しています。
エテルノはその中にあるステラプリズムで他の境界に転送するための「中継基地」という意味合いが強いのではないでしょうか。ですので、アルタイル・トルテ5人はエテルノではなく、「現実世界のチームハウス」で日常を過ごしているようです。筋トレもOKです。
引用:© SQUARE ENIX・スクールガールストライカーズ製作委員会
2.モルガナと椿芽の関係
椿芽VSモルガナの構図がはっきりと描かれています。原作でのモルガナは、敵対勢力の調査として「フィフス・フォース」の動向を探っていましたが、一個人にこだわっている素振りはなかったと思います。
一方でアニメでのモルガナは、現実世界の五稜館学園に「物理の先生」として赴任してくるほど椿芽に執着しています。降神三姉妹も椿芽を探し出すために使役され、最終的には椿芽をおびき出すために利用されました。全ては「椿芽=モルガナ」という仮説を立証するためです。
結果としては、皆さんご存知の通り、「椿芽=モルガナではない」ということが分かりました。モルガナが立てた仮説は誤っていたということです。
アニメ『スクスト』の考察
1.椿芽の正体
1話では幽霊扱いされていた椿芽。作品内での椿芽の言動は二転三転していましたが、未来か平行世界から移動してきた存在。もしくは両方当てはまります。
- 9話「私の居た世界ではみんなオブリに…」
- 12話「もしかしたら私が来たのは別の世界でなく…」
- 13話「元々私はみんなと同じ世界の人間じゃない」
いずれにしても転生の手段は「隊長ネコの力」。その力によって、アルタイル・トルテ結成前のエテルノまで飛ばされて何とか事なきを得ます。
2.椿芽の不登校の理由
引用:© SQUARE ENIX・スクールガールストライカーズ製作委員会
最終話に五稜館学園に編入した椿芽。今まで学校に通わなかった理由は心境の変化だと感じました。
1話でまな達が「つばめちんだっていつかはみんなと通うんでしょ?」と聞いたときは言葉を濁しましたが、9話では少し考えたあと「そうだね、楽しそうかも」と返事をしています。
椿芽は降神三姉妹と同じく、心の何処かで普通の生活に憧れていたのかもしれません。アニメでは間や表情が上手に表現されており、ゲームにはない魅力を感じました。
3.チームワークが勝利の鍵
モルガナに敗北・勝利したときに装備しているメモカはどちらも早熟SR。それぞれ違う箇所はチームワークの出来・降神三姉妹と田中幸子の介入です。
その中では、特にアルタイル・トルテ5人のチームワーク「アルタイルストーム(ゴレンジャーハリケーン)」が勝利の鍵だったと考察しています。
どちらかと言えば、降神三姉妹は椿芽をおびき出すために利用、田中幸子はその空間まで転移するのが主な役割のキーパーソンだったからです。
1話から13話まで通してアルタイル・トルテが主役で、チーム全体や椿芽の成長や変化などが描写していました。その結果、チームワークで勝利をおさめることに成功。終盤は駆け足でしたが、物語としては見応えがありました。
4.この世界のモルガナは折江幹子先生
引用:© SQUARE ENIX・スクールガールストライカーズ製作委員会
このアニメーションチャンネルの世界でのモルガナは折江幹子とのこと。モルガナ=物理の先生=折江幹子です。原作では確かな証拠がなく、モルガナの正体は千嵐麻衣か折江幹子のどちらかだろうとずっと言われ続けてきました。
ただ、アニメと原作の世界は別ものと明言されているので、ゲームのストーリーでも「モルガナ=折江」が当てはまるとは言い切れません。
それでも、今回のアニメで田中幸子の父親のことやモルガナについての”参考情報”が集まったのは、今後考察するうえでの大きな収穫でしょう。
アニメ『スクスト』の感想
1.キャラが可愛かった
引用:© SQUARE ENIX・スクールガールストライカーズ製作委員会
アニメでは、3Dモデルとはまた違う可愛らしさが感じられました。製作のJ.C.STAFFのおかげでしょうか。まれに作画崩壊オブリが出演していましたが、全体的に崩れることなくまとまっていたという感想です。
また、アルタイル・トルテを中心に26人のキャラが満遍なく描かれていたのが高評価。最近のアニメにしては登場人物が多いのではないでしょうか。欲を言えば、ショコラーデ・ミラとアマンド・フォーマルハウトにも登場して欲しかったです。
2.古いパロディ満載だった
引用:© SQUARE ENIX・スクールガールストライカーズ製作委員会
「これぞスクスト」と感じさせる古い作品のパロディが満載でした。わたしはどれも世代ではないので「何となく分かる」くらいのレベル。それでも、個人的な感想ですが十分楽しむことができる面白さでした。パロディ作品を羅列すると以下の通りになります。
宇宙刑事ギャバン、元祖西遊記スーパーモンキー大冒険、ジョーズ(JAWS)、シン・ゴジラ、新世紀エヴァンゲリオン、水曜スペシャル、超電磁ロボ コン・バトラーV、釣りキチ三平、ドラクエ、秘密戦隊ゴレンジャー、FF、ファミコンウォーズ、へべれけ、北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ、摩訶摩訶、他。
パロディ回では、Twitterでハッシュタグ#sgs_animeがトレンド入りするくらい盛り上がっていました。
3.隊長ネコがいい雰囲気を出していた
引用:© SQUARE ENIX・スクールガールストライカーズ製作委員会
アニメーションチャンネルでの隊長さんは念話ができない猫。もちろん、アルタイル・トルテの5人とは会話で意思疎通することができません。
ただ、ちょうどいいタイミングで椿芽に寄り添うなど、居るだけで存在感あるキャラでした。
「ケダモノだけどね」と悠水に言われるくらい、随所にハレンチキャットの片鱗をうかがわせる演出がありましたが、それもある意味原作通りだと思います。
アニメ『スクスト』2期について
アニメ『スクスト』のDVDとBlu-rayの売上数を見て「2期はまずない」と判断している方々が多いですが、ちょっと待ってください。確かに円盤の売上は「アニメの人気」を見るのに便利ですが、2期制作に影響する要因のひとつに過ぎません。
特にスクストは「スマホゲーム」です。2016年8月のスマホゲームの課金額調査によると、年間平均課金額21000円と統計が出ています。1人に円盤マラソン(49680円)してもらえなくても、3人の新規ユーザー(63000円)を得ることができれば1年でプラスになり得ると言う事です。
参考までに当サイトのデータをご紹介すると、下記リセマラ記事の新規ユーザー数は12月931人に対し、1月2974人まで跳ね上がっていました。つまり、アニメ効果で少なくとも2000人以上のユーザーを獲得。売上に換算すると約700枚分の売り上げをアプリで確保しています。
そもそも「リセマラ」について知らない方々も多いので、確実に「アプリの売上>円盤の売上」となっていることは間違いないでしょう。ビジネスとしては大成功です。スクストはi-mobile、AdWords、Adsense、GAMEFEATなど様々な種類の広告を出稿していますから、それらより対費用効果が高ければ2期を新規作成する可能性は十二分にあります。
でも、円盤を購入することをおすすめします
円盤購入をおすすめするのは「2期を応援して欲しい」という気持ちもありますが、Blu-rayの綺麗な映像や声優さんのオーディオコメンタリーなど、純粋におすすめしたい中身だからです。スクストのキャラデザを手がけている小林元さんが書き下ろしたケースの絵が非常に可愛いのがGOOD。
Amazonで全巻購入すると鬼っ子コスが描かれた「全巻収納BOX」がもらえるので鬼っ子コス好きは必見です。
その他感想
当ブログのアクセスがすごく伸びた
事前の宣言通り、2017年1月のアクセス数が30万を超えました。皆さま、いつもありがとうございます。
先ほど書きましたが、リセマラ解説などの初心者向けハウトゥー記事をメインにPVが増加。ブログの内容云々というよりは、スクストがそれほど注目されていたからだと思います。ですが、注目されていたのは1月と2月上旬まででそこからは下降傾向です。
4月からはすごろくライトや冒険チャンネルなど新しいコンテンツが追加されているので今後に楽しみです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
以上が、アニメスクストの感想と考察でした。2017年冬アニメはスクスト以外視聴していなかったのですが、ストーリーもしっかりしていましたし、そこそこ面白かったと思います。ただ、途中から少し早足になってしまいましたので、是非2期放送して全力を発揮して欲しいです。
8月に開催されるアニメのイベントで2期発表があれば、と今から期待しています。